無い物は作れ Tukubai流コマンド自作文化 : 第4章 コマンドは、臆さず作れ。大人気ない大人にならぬために

今でこそ道具の何たるかを語っているユニバーサル・シェル・プログラミング研究所だが、実はこれまで紹介してきたように、色々と知られざるコマンドを作っては捨て、作っては捨てを繰り返してきた。

機能として洗練されていなかったり、あるいはソースコードの書かれ方として洗練されていなかったり、そんなものを公開するのは恥ずかしいとも言われたが、お願いして今回それらをあえて公開してもらった。USP MAGAZINE編集部としては、コマンド自作の文化を広めるには必要なことだと考えたからだ。

当たり前のことだが、初めから洗練された道具など誰にも作れない。茶道で用いる茶筌も、一人前に作れるまでに10年以上かかるという(USP MAGAZINE 2013 winter 24ページ記事)。プログラミングとて同じであり、コマンド自作によるシステム構築法であるTukubaiもまた然りである。

さまざまな言語でプログラミングを慣れ親しむのとまったく同じようにして、Tukubaiにも慣れ親しんでもらいたい。すなわち、「コマンド自作」を特別視せず気軽に始めてもらいたい。これこそが、真にUnixを使いこなすということなのだと思う。

最初はそれで、不格好なものができることだろう。しかし気にすることなどまったくない。手を動かさなければ、いつまでたっても大人気ないコードを生みだすプログラマを卒業することはできないのだ。

USP MAGAZINE 2013 winter「【特集】無いものは作れ Tukubai流コマンド自作文化」より加筆修正後転載

Last modified: 2014-01-13 00:00:00